スピリチュアル・ロハス小説『天上のシンフォニー』公式サイト

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 ナイロビの街頭で、キマニ・スーガはバンドの仲間と太鼓を叩いていた。周りでは、アフリカのリズムに合わせて女たちが踊っている。赤や緑といった原色の衣装が精彩を放ち、燦々と照りつける太陽の光と、澄み切った青空の下で、見事な統一感を見せている。女たちはいつ見てもセクシーだ。リズミカルな腰使いを見ているうちに、キマニは少しずつ興奮してきた。ついジャンベを叩く手に力が入ってしまう。
 市場で買い物を済ませた人たちが、こちらを眺めながら通り過ぎていく。やがて、スピーカーを通してフルボリュームで鳴り響いてくるレゲエ・ミュージックが、邪魔に入った。
〈うるせえな〉と思った瞬間、ボリュームが下げられた。睨みが効いたのだろうか。
「マタトゥめが」真っ赤な車体の上に黄色の炎のような模様が入った乗り合いバスを見ながら、キマニはつぶやいた。きらびやかに塗りたくられたミニバスの中からは、新たな観客が降りてきて、先客と交代する。
 ジャンベを叩きながら、キマニは踊っている女の一人に注目した。ジーンズにTシャツ姿で、肌の色が他の人に比べると少し薄い。アフリカ人というよりも、アメリカかイギリスの黒人のようだった。彼女はしっかりとリズムについてきている。キマニは少しリズムを速める。それでも彼女はついてきた。やがて太鼓を叩くのはキマニ一人だけになり、踊るのも彼女だけになった。二人の勝負は二、三分続いた。周りからは歓声が聞こえてくる。汗で服がごわごわしてきた。女もTシャツが汗で体に密着し、盛り上がった胸元には乳首の形が見えている。キマニは彼女の目を見つめながら、さらにスピードを速めた。女もキマニの目を見つめ返しながら、踊りのリズムを加速させる。周りの歓声はどんどん大きくなってくる。キマニは最後の力を振り絞ってスピードを最高潮に達するまで速め、突然、止めた。
 周りからは歓声と拍手が沸き起こった。
 キマニは女に近づいた。
「いい踊りだったぜ」
「ありがとう」女はアメリカ訛りの英語で言った。
「アメリカから来たのか?」
「ええ」
「キマニだ」
「イボンヌよ」

WEB版完売の噂の小説ついに解禁。

story2011年、ロンドンで、中山悟は旧友クレアと5年ぶりに再会した。「あなたは特別な人よ」と告げた彼女は、しかし3日後に遺体で発見され、悟も何者かに追われ始める。地球の運命が託された壮大な計画が動きだした。イギリス、インド、フランス、日本、イスラエル、アメリカ、エジプト、ケニア、香港、ペルー、アマゾン、さらには宇宙空間、アトランティス大陸、そして未来の地球へと想像を絶する旅を続けながら、悟は、国籍も人種も違う6人の仲間と出会い、地球の隠された真実を思い出していく。

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