スピリチュアル・ロハス小説『天上のシンフォニー』公式サイト

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 嘆きの壁の前では、黒服に黒の帽子をかぶったユダヤ教徒たちが、体を前後に揺さぶりながら祈りを捧げている。大きな石のブロックがたくさん積み重なってできたこの壁は、悠久の歴史の重みを湛え、どっしりと構えている。その上には黄金色に煌く岩のドームが見える。しばらく壁を眺めてから、カトリーヌ・デュボアは神殿の丘に上がった。岩のドームの前まで来ると、イスラム教徒たちがたくさん集まっていた。彼らも一生懸命祈りを捧げていた。その様子をしばらく眺めてから、彼女はドームの北側に行った。そこには、イエス・キリストが十字架を担がされて歩いたとされる道、ビア・ドロローサがあるのだ。
 イエス様が有罪となった場所から、十字架を担がされた場所、最初に倒れた場所、母マリア様に会った場所と、ビア・ドロローサは全十四ポイントに分かれていて、それぞれのポイントをステーションと呼んだ。各ステーションで祈りを捧げながら、ゴルゴタの丘の跡に建てられたとされる聖墳墓教会へ向かった。長い間夢見てきた聖地エルサレムの土を踏んでいると、感動で胸が詰まる思いがする。と同時に悲しみも襲ってくる。二千年前にここでイエス様が十字架を担ぎ、民衆から唾を吐きかけられ、野次を飛ばされながら歩いていた時のことを思うと、全身から涙がこみ上げてきた。〈神様。どうかそのようなことをした人たちをお許しください。彼らには自分が何をしていたのかわからなかったのです〉彼女はそう心の中で叫びながら一歩一歩歩いた。
 やがて聖墳墓教会に着いた。天井は、つるされているたくさんの蝋燭ランプの火で焦げたのか、黒ずんでいる。ところどころに大理石でできた太い柱が立ち、中は薄暗い。そこらじゅうから様々な言語の話し声が聞こえてくる。旅行者は世界中から集まっているようだ。カトリック教徒。プロテスタントの様々な宗派の人たち。普通の旅行者。牧師や神父同行のツアーを組んでいるグループもあり、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、タガログ語、韓国語などによる説教が聞こえてくる。ここはフランスの教会とは違う。世界のキリスト教徒が目指す中心地なのだ。宗派の違いも関係ない。ただ一心に、我が救世主キリストに思いを捧げるのである。
 中は広く、イエス様の十字架の建てられた所、イエス様の聖骸に香油を塗った場所、イエス様の墓など、いくつかのポイントに分かれている。カトリーヌはそれぞれのポイントに立ち止まり、跪き、二十分ぐらいにわたって祈りを捧げる。
〈どうか、イエス様の十字架での犠牲が無駄になることなく、多くの人がキリストを自分の中に受け入れ、原罪を悔い改めることができますように、お導きください〉彼女は何度も何度も祈りを捧げては、次のポイントに移っていった。
 いよいよ最後のポイントへやってきた。イエス様が十字架に架けられた場所。手のひらに釘が打ち込まれるシーンが脳裏に浮かんでくる。再び目から涙があふれ出てきた。彼女は跪き、祈りはじめた。深く、深く祈り続けた。ちょうどその時だった。突然どこからか、彼女を呼ぶ声が聞こえてきた。

WEB版完売の噂の小説ついに解禁。

story2011年、ロンドンで、中山悟は旧友クレアと5年ぶりに再会した。「あなたは特別な人よ」と告げた彼女は、しかし3日後に遺体で発見され、悟も何者かに追われ始める。地球の運命が託された壮大な計画が動きだした。イギリス、インド、フランス、日本、イスラエル、アメリカ、エジプト、ケニア、香港、ペルー、アマゾン、さらには宇宙空間、アトランティス大陸、そして未来の地球へと想像を絶する旅を続けながら、悟は、国籍も人種も違う6人の仲間と出会い、地球の隠された真実を思い出していく。

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