スピリチュアル・ロハス小説『天上のシンフォニー』公式サイト

header
home news characters important place narration gallery keywords link contact
 






 デビット・シモンズはミネラルウォーターのペットボトルをバッグから出すと、喉に流し込んだ。買った時は冷えていたのに、すでに生ぬるい。サングラスをかけ、麦わら帽子をかぶっているが、顔が焼けるようだ。Tシャツは汗でピッタリと体に密着し、時々舞い上がった砂埃が付着してくる。
 目の前には、多くの石を積み上げて建てられた三つのピラミッドが並んでいる。横には、ライオンの胴体に人間の顔をしたスフィンクス。何度見ても感動する。この精密な建築技術は人間業ではない。何千年という間、砂漠を照らし続ける太陽と風と砂にさらされながら、形を崩すことなく、ここに存在していること自体、奇跡に等しい。今まで何人の旅人が、この神秘を解き明かすために、この地を訪れたのだろうか。しかし、まだ誰ひとりとして解き明かした者はいない。二十一世紀になった今日この日までは。
 デビットは今度こそピラミッドの秘密を発見すると心に誓った。そして視線をもう一度大ピラミッドへ持っていく。しばらくして、ラクダを連れたアラブの商人たちの姿が目に入ってきた。白のエジプト衣装ガラベーヤに身を包んでいる。彼らのすぐ横では観光客が写真を撮っている。
 デビットはモバイル・コンピューターを出し、電話をかける。
「デビット?」妻のレイチェルが電話に出た。
「元気か?」
「何とかやってるわ。あなたは? 進展はあった?」
「準備が整った。今日決行する。子供たちを呼んでくるんだ」
 彼がそう言うか言わないかのうちに、スクリーンに子供たちが現れる。「ハイ、パパ」
「元気にしてるか?」
「元気どころか、もううるさくてたまったもんじゃないわ」レイチェルが答える。
「パパ、いつ帰ってくるの?」
「もうすぐだ。もうすぐパパはすごいものを見つけるぞ。そしたらすぐ帰る。おみやげも忘れないぞ」
「約束だよ」
 やがて、先ほど近くで写真を撮っていた観光客がこちらに向かってきた。二人組の白人女性だ。
「パパはもう行かなきゃならない。また電話する」
「あなた、あまり無茶はしないでね」
「だいじょうぶだ」
「バーイ、パパ」という声と共にデビットは電話を切った。

WEB版完売の噂の小説ついに解禁。

story2011年、ロンドンで、中山悟は旧友クレアと5年ぶりに再会した。「あなたは特別な人よ」と告げた彼女は、しかし3日後に遺体で発見され、悟も何者かに追われ始める。地球の運命が託された壮大な計画が動きだした。イギリス、インド、フランス、日本、イスラエル、アメリカ、エジプト、ケニア、香港、ペルー、アマゾン、さらには宇宙空間、アトランティス大陸、そして未来の地球へと想像を絶する旅を続けながら、悟は、国籍も人種も違う6人の仲間と出会い、地球の隠された真実を思い出していく。

footer1
Copyright(C)2007 goldentemple2012. All rights reserved.
footer2
footer